地域とともに創り、ともに栄える
地域貢献活動の推進
基本的な考え方
富士急グループは、「富士を世界に拓く」を創業精神として、鉄道事業、不動産事業による富士山麓の活性化という山梨県や地域の悲願を達成することを使命として生まれた会社です。その精神は現代にも受け継がれ、富士山の豊かな自然環境や風景の維持と開発を両立させ、国内外のお客様、地域の皆様のいずれにも、できるだけ長くこの富士山麓に留まっていたいと思っていただけるような活動を行っています。
「企業行動規範」の一つにも「良き企業市民として、社会、環境への貢献」を掲げ、地域社会との良好なコミュニケーションと地域の魅力発信に努め、持続可能な地域社会の実現を目指します。
推進体制
サステナビリティ委員会が中心となり、本社部門およびグループ会社における地域貢献活動を含む計画や目標の策定ならびにその進捗状況の確認を行うとともに、必要に応じ、その状況を常勤役員会、取締役会に付議・報告しています。今後は、マテリアリティに対しKPI(数値目標)やモニタリング指標を設定しサステナビリテイ委員会にてモニタリングを行っていく予定です。
具体的な取り組み
紅葉型絵馬の製作
富士山パノラマロープウェイでは、国内外から多くのお客様が訪れる紅葉の時期に紅葉型の絵馬を販売しています。 この絵馬は富士山麓の間伐材を活用した板材に、地域で就労支援を行っている福祉サービス施設「富士北麓ヨハネ支援センター」の利用者の皆さんがひとつひとつ色付け作業を行っているものです。この絵馬の製作を通して富士山周辺の自然環境と地域社会に配慮した循環の創出に取り組んでいます。
自治体の施設等の管理・運営
富士急グループでは、「ふえふきしの湯」「みさかの湯」「ももの里温泉」などの指定管理者として、自治体の施設などの管理・運営を行っています。
副駅名設置による地域の活性化
富士急グループでは、地域の皆様により親しみを感じていただけるようにするため、富士急行線の一部の駅に副駅名を導入しています。副駅名を導入することで、地域の駅のイメージ向上と、エリア全体の活性化につなげています。
- 谷村町駅~谷村城下町~
2021年9月に富士急行株式会社と山梨県都留市との間で締結した「SDGs推進に係る連携協定」に基づく、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として富士急行線「谷村町駅」に、副駅名「谷村城下町」を導入しました。副駅名の導入は、富士山の豊かな自然を守りながら、「富士の麓の小さな城下町つる」のイメージを広く発信し、同駅を中心としたエリア全体の交流人口の増加による地域活性化につなげることを目的としています。
- 河口湖駅~富士河口湖温泉郷~
2020年12月、富士山・富士五湖観光の玄関口・富士急行線「河口湖駅」に、副駅名「富士河口湖温泉郷」を導入しました。この副駅名は、地域の皆様からの要望に応えて導入したもので、河口湖駅がある富士河口湖町が温泉地であることを広く知っていただき、同駅を中心としたエリア全体のさらなるイメージ向上と観光誘客を目的としています。
- 上大月駅~都留高校前~
2019年に開業90周年を迎えた富士急行線と創立120年を迎えた山梨県立都留高等学校の共同企画として2019年5月、上大月駅に副駅名「都留高校前」を導入しました。副駅名の導入は2017年に都留高校の生徒が地域の活性化について考察した課題研究『上大月駅を都留高校前に』での提案が契機となりました。その後、さらに駅舎リニューアル計画も動き始め、生徒にアンケートするなどして、デザインを共同で進め、校舎をイメージしたデザインの駅舎を2021年2月に完成させました。待合室内には上大月駅のこれまでの歩みの紹介や、大月の観光情報も掲示され、地域、学校、当社の連携事業となりました。
- 下吉田駅~新倉山浅間公園~
2020年3月、絶景の富士山ビューポイントへの玄関口として、国内外を問わず多くのお客様にご利用いただいている下吉田駅に副駅名「新倉山浅間公園(英語副駅名称 Chureito Pagota※)」を導入しました。この副駅名設定は、下吉田駅の特急列車停車駅化と併せて実施したものです。国内外から訪れるお客様に下吉田駅をさらに便利にご利用いただくだけでなく、地域のお客様にも下吉田駅に親しみを持っていただくとともに、同施設を中心とした地域振興の推進と活性化を目的としています。
※Chureito Pagota=Chureito(忠霊塔)は戦没者を祀る慰霊塔の通称で、Pagotaは仏塔あるいは仏塔に類似した多層塔を指します。富士吉田市が管理する、富士吉田市戦没者慰霊塔の周辺が新倉山浅間公園として整備されているため、副駅名の英訳としてChureito Pagotaを採用しています。
三つ峠駅のリニューアル
富士山麓電気鉄道では、山梨県西桂町と連携し、2024年5月に富士急行線「三つ峠駅」のリニューアルを行いました。駅構内には観光交流スペースを併設しており、「記憶を受け継ぎながら、地域の色を帯びた駅」をコンセプトに、町の新たなコミュニティ施設として生まれ変わりました。
「富士山駅こどもまつり」の開催
富士山駅にて、2023年2月に楽しみながら物を大切にする心を培うイベントとして、「富士山駅こどもまつり」を開催しました。電車やバスの運転手体験のほか、沿線にお住まいの方から寄付いただいたおもちゃや絵本を設置した「おもちゃでんしゃ」や「えほんでんしゃ」、おもちゃドクターによる「おもちゃ病院」の開院など、地域のお子様の豊かな情操を育む支援を行いました。
鉄道体験イベントの開催
富士山麓電気鉄道では河口湖駅や下吉田駅、電車修理工場において鉄道体験イベントの開催を開催しています。例年、沿線の家族連れをはじめとした多くのお客様に、車両撮影会や運転台、車掌体験などのイベントに参加いただいています。
富士山の森の間伐材で作った切符
当社と山梨県都留市との間で締結した「SDGs推進に係る連携協定」に基づく、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環で、富士山の豊かな自然を守りながら、「富士の麓の小さな城下町つる」のイメージを広く発信したいという思いから製作しました。木製入場券の色付けは、地域で就労支援を行う福祉サービス事業所「富士北麓ヨハネ支援センター」の利用者の皆様によるもので、1枚1枚少しずつ色合いの異なる、手作りならではの温もりが感じられる入場券となっています。
富士急行線鉄道駅のトイレ美化活動
富士急行線を利用される方々に満足いただける衛生環境を目指し、花王グループカスタマーマーケティング株式会社監修のもと、駅トイレの衛生改善活動を行い、お客様の利用頻度の高い6駅(河口湖駅、富士急ハイランド駅、富士山駅、下吉田駅、都留文科大学前駅、谷村町駅)は「トイレ衛生改善認証」を取得しました。今後、衛生的なトイレを新たな魅力の一つと位置づけるべく、他の駅も認証を付与されるよう活動していきます。